Difference between revisions of "ケニアのカジアド-3RとMUS"

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Latest revision as of 05:07, 2 June 2017

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ケニアのカジアドでの雨水貯留タンクの設置写真: ライアンの井戸財団

カジアド市でSASOL財団ICRAF族技術研修所 (MTTI)3R 技術(涵養、保有、再利用) に主な焦点を当てることで、食料安全保障のための雨水貯留の可能性を検証・調査する計画を実行します。

主に岩混じりの土壌と荒い砂からなる、この地域の典型的な風景の中にある研修施設の近くに、この計画の予定地はあります。この計画では食料安全保障のための雨水貯留の可能性について模索します。牧草地および動物に使う水を提供するために多くの砂防ダムが設置されます。マサイ族技術研修所の学生は流出水をせきとめる小型でシンプルな構造物を建築する訓練を受けます。簡単な調整によって集水井によって家畜だけでなく人間にも水を提供できます。予想される植生回復に関する記録は、衛星画像によって収集されます。この計画の目的は検証と調査にあると同時に、 3Rの手順を重要性の高い人々に理解してもらうことにもあります。

実施期間: 2013年4月〜2015年7月

試行の課題

現在の状況

この試行では その地域の最も差し迫った問題に取り組みます。つまり、家畜と牧草地の改善に利用できる水をどのように持続可能に増やすかという問題です。雨が降ったときには、家畜と牧草地へまわす水が豊富にありますが、ますます長く続くようになった日照りにマサイ族の人々は悩まされています。そのため、今回の機会を以下のようなものとして捉えています。つまり、岩混じりの土壌で流出水の多い地域に、非常にシンプルな石積みの壁を建設し、浸透の増加による侵食を抑えつつ、持続可能な地下水の利用と牧草地の再緑化を図る、というものです

社会経済的、文化的条件

カジアドの中部は農業と牧畜の地域の拠点となっています。牛に対して高い価値を置く文化的に豊かな民族であるマサイ族がこの地域の主な住人です。 しかし、巨大企業による地下水のくみ出しによって、使用できる家庭用水が減少しており、マサイ族のいる地域ではそれが特に顕著です。

試行地域の地理的条件

カジアドの中部の特徴は、堅くて岩の多い土壌の平原や火山丘陵と火山渓谷渓谷としてしばしば説明されますが、雨季には流出水の急流が発生することで知られる粘土質もまた特徴となっています。この計画の行われる地域は小さな高原の尾根にあり、年に2回ある雨季には大量の水が流れになります。この計画の目的は、その水が流れとなって失われてしまう前に堰き止め、水を地下水の涵養と表面貯留に水を使用することにあります。

試行の目的

試行の目的は、「低次技術」が有効な状況を実例で示すことにあります。このシンプルな技術(簡単な石積みの壁など)は地元で手に入る材料を用い、技能をほぼ要せずに施工することができて、しかも全般的な状況に与える深い影響は決定的なものです。この低予算の技術が、低コストで水と牧草を生産できる反復可能な唯一の方法である可能性もあります。またその場所がマサイ族技術研修所の初学者段階の石工たちにとっての優れた訓練所にもなります。

場所と協力者

カジアド郡の各所地図の出典 アルバート・ケニャニ・イニマ
  • 場所: カジアド中部、カジアド市
  • 主な協力者: SASOL、マサイ族技術研修所、ICRAF
  • 協力者の役割と責任: SASOLは、MTTI とともに試行の準備を行う。両者が委任される権限に関する交渉を持ち、建設を開始する。MTTI は、現場を実践例として使用する。両者がそれを維持管理も行い、現地調査のために使用する。
  • その他の協力者: ICRAF、MTTI
  • その他のパートナーの責任と役割: ICRAF は現在の状況、起きた変化を記録に残し、人々を適切な方法で教育する。

概要

目的

  1. カジアドの全般的な状況に対する雨水貯留による低水準技術介入の可能性を実証する。
  2. MTTIの学生に3Rの考えを教え、ダム建設について研修を行う (?)
  3. 興味を持って訪れる組織にとっての永続的な参考例として提示する。
  4. この介入を通じて起きた全般的な状況の変化に関する詳細な証拠を提供する。

活動

  1. この活動を実施するためにRAINとSASOLは契約を結び当該の地域で連携する(2013年4月)。
  2. SASOLは詳細な建築計画を提出し、MTTIと諸条件に関して交渉する。両者はその後に一連の計画についてMTTIと了解覚書に調印する(2013年5月)。
  3. ICRAFは計画の予定地の全般的な状況のベースライン調査を開始し、「不介入」状態の記録を残す。この調査を一つの乾季と雨季 (2013年5月と2013年10月)に実施する。2014年10月と2015年5月にこの調査を再び行い、それらの調査結果を刊行物として文書化する。
  4. SASOLは、予定地の選定に関して調整を行い、2013年6月に着工する。
  5. MTTI は教育課程の編成を含めた準備によって建築が円滑に進むようにする(2013年9月、10月、11 月)。
  6. MTTIは通り道にあたる区画の所有者と了解覚書を作成する(2013年4月、5月)

FIETS

この試行ではWASHサービスのF.I.E.T.S. のモデルを用いる。

  • 機関: 地元のマサイ族技術研修所とその学生の能力の強化
  • 環境:貴重な流出水をせきとめることで、地下水面を上昇させる。また家庭用水と農業用水として利用者が地域で利用することができる。さらに、地域の自然植生を維持するために用いられる可能性もある。
  • 技術の持続可能性: シンプルで低コストの技術、維持することが容易
  • テーマ: 3R MUS、食料安全保障
  • 3RとMUS: 水は地下水面を涵養し、牛と木の植栽に使用する。
  • その他のテーマ: デモンストレーション、記録化、調査に特に集中する

SWOT分析

SWOT 分析本計画の(強み、弱み、機会、脅威)

強み
  • 低水準技術
  • 現場の展示
  • 学生の参加
弱み
  • 現場の展示
  • 結果の定量化が容易ではない
  • 未知の受益者
機会
  • 学生であっても質の向上が容易
  • 成功すれば、訪問と実地説明が容易
  • ...
脅威
  • MTTI が予定地の所有権ではないこと
  • ...
  • ...


結果

対象となるグループ

  • 全体の人数: 現時点では不明
  • グループ (社会・文化)の種類: マサイ族遊牧民、ケニアの学生
  • 経済的情勢:極度の低所得
  • 現在の経済活動:牧畜、教育

技術

  • 水貯留の種類:単純な石積みダム
  • 貯蔵方法の種類:現地貯留・ダム
  • 設置数: ダム 3〜4基(予定)
  • 一般家庭への設置数: なし(予定)
  • 地域社会・複数世帯への設置数: 集水井 1から数基程度
  • 保健センターへの設置数: なし
  • 学校への設置数: 1

その他の例

文献やウェブサイトなどの類似の計画の一覧

  • ケニヤッタ大学のキトゥイ・キャンパスが別の技術を用いて類似する施設設置している
  • ムトモ郡のWiitu riverにあるSASOLのMPC South(温室に隣接する階段状に連続する砂防ダム)
  • ケニア国立博物館の屋上貯水池展示場

文献、ビデオ、リンク